SPECIAL

『RePlayers' Cover Songs Series』
編曲:ANCHOR インタビュー

リプレイヤーがアーティストの楽曲をカバーする『RePlayers' Cover Songs Series』は、現在、鐘ヶ江隼弥(CV:生田鷹司)が歌う「夜明けBrand New Days」、鷹宮陽向(CV:松岡侑李)の「I LOVE...」、鷲埜瑞人(CV:濱野大輝)による「変わらないもの」の3曲が公開されている。それらすべてで編曲を手掛けたANCHORさんに、各楽曲の編曲のポイントなどを聞いた。

まずは、『ReFlap』という作品を初めて知った時、どんな印象を受けたか教えてください。また、『RePlayers' Cover Songs Series』企画の編曲を担当することになったのには、どんな経緯があったのでしょうか?

『ReFlap』のプロデューサーの方とは以前より多くの作品でご一緒していたこともあり、お仕事の会話の中でプロジェクトの企画段階よりお話を伺っておりました。
数年前では考えられないような様々な技術やSNSが一般に普及し始めた昨今の世とリンクしている世界観に”最新の身近”を感じたことがとても印象的でした。
オリジナル楽曲とは別軸の楽曲展開をする際に、カバー楽曲はダンスミュージックとはまた違う所謂生楽器のサウンドを多く取り入れたいとのことでお話をいただきました。

『RePlayers' Cover Songs Series』企画全体のことについて、事前にプロデューサー側とお話ししたことや、オーダーのようなものはございましたか?

「作品の世界観とキャラクターを理解して音に反映したい」という私の楽曲との向き合い方をご存知の方ですので、カバー楽曲と詳細な資料から私の受けた印象やイメージした大まかな方向性をお伝えし、更に世界観に溶け込む為の音使いなどのオーダーをいただきました。

これまで公開された3曲について、ANCHORさんは隼弥、陽向、瑞人をどんな人物だと感じ、それを踏まえてどんな方向性で各楽曲の編曲をしていこうと考えましたか?

「夜明けBrand New Days」【鐘ヶ江隼弥(CV:生田鷹司)】
純粋で元気で前向きで…その中にある熱量や繊細さを鐘ヶ江さんからは感じました。「夜明けBrand New Days」の音や言葉の熱量を損なわずに彼の持つ純粋な透明度を音に込められるように心がけました。

「I LOVE...」【鷹宮陽向(CV:松岡侑李)】
一歩引いた物静かさとクールで優しい方、それが鷹宮さんの最初の印象でした。理解が深まることに比例して分かる、一歩引いているというのは表面的な部分で、彼の持つ大切な人を想う真っ直ぐで暖かい気持ちを音に込められるように心がけました。内に秘めたモノがだんだん溶け出すように一番初めはピアノから始まり多くのアンサンブルで彩り、最後はクールにピアノで終わらせるという構成は最初から決まっていました。

「変わらないもの」【鷲埜瑞人(CV:濱野大輝)】
素直に鷲埜さんは懐の深い大人の男性の方なんだと最初は思っていました。歳を重ねるごとに固まっていく人生観を何度も変えてしまえる彼の心の強さや情熱と、過去も未来も素直に見つめられる冷静さを音に込められるように心がけました。ギターが中心のアレンジをすることはもちろん決めておりました。

各楽曲の制作にあたり、ANCHORさんから各楽器やMixご担当の方、歌唱の方にオーダーしたことはありましたか? また、ANCHORさんは編曲のほか、各楽曲でピアノやProgramming&Other instrumentalも担当されていますが、そちらで心がけた点もあれば教えてください。

「夜明けBrand New Days」【鐘ヶ江隼弥(CV:生田鷹司)】
演奏者さんと歌唱された生田さんには「原曲への愛を込めて欲しいです」とお伝えしました。たったそれだけですが生田さんの歌唱力はもちろん、演奏者の皆さんが凄腕で心強いチームでした。Mixを担当された藤浪(潤一郎)さんは原曲(夜明けBrand New Days (farewell and beginning))のMixも担当されている方なので殆どお任せ状態で私はニコニコしながら見守っておりました。

「I LOVE...」【鷹宮陽向(CV:松岡侑李)】
前述の通り最初から音の構成は決まっており、原曲とまるで違う音並びですが無難に終わりたくなかったことや、鷹宮さんの内に秘めた気持ちを表現できるように一瞬でも良いので出来る限り思い切ったことをして欲しいとお伝えしました。松岡さんはウォーミングアップの段階で完璧に私の音を掴まれておりましたので、私はニコニコしながら見守っておりました。

「変わらないもの」【鷲埜瑞人(CV:濱野大輝)】
この編曲はリアリティを大切にするべく、鷲埜さんに近い境遇の現役でサラリーマンをされている元バンドマンのギタリストの方にオファーをしました。濱野さんの低く優しい声をどうすれば支えられるか、想いが乗せられるかを考えて音を構成しました。ベースの岡啓さんとドラムのゆーまおさんの安心リズム隊が活き活きした音を鳴らしていらっしゃったので、私はニコニコしながら見守っておりました。

実際に完成された楽曲を聴いた感想は? また、このインタビューを読んでもう一度聴き返そうと思っているファンに向けて、ANCHORさんが個人的に思う注目ポイントもあれば合わせて教えてください。

「夜明けBrand New Days」【鐘ヶ江隼弥(CV:生田鷹司)】
生田さんとバンドを組まれており、私にとっても大切な友人である堀江(晶太)さんが詞曲をされているこの楽曲での新シリーズの幕開けは、公私共にまさにプレッシャーを感じておりました。彼らのような遊び心をリスペクトしてこっそりと他楽曲のフレーズを散りばめておりますので是非探してみてください。落ちサビの生田さんの「また続く」の歌い方に沢山の愛を感じました。

「I LOVE...」【鷹宮陽向(CV:松岡侑李)】
原曲では一度しか使われていないイントロのフレーズがとても素敵で色々なセクションと様々な楽器で奏でました。音作り自体は大きく違うのですが、ボコーダー的なエフェクトは本家リスペクトでエンジニアさんが再現してくださいました。各所の松岡さんのファルセットの使い方が美しいので是非注目してください。

「変わらないもの」【鷲埜瑞人(CV:濱野大輝)】
バンドマンらしい荒々しいギターフレーズや、まるで鷲埜さんが歌われているかのようなギターソロがとても気に入っております。原曲ではメインとなっているピアノで敢えてバッキングをして支えることで、匂いや雰囲気を良き意味で残せたのかなと思っております。主旋律の心に響く濱野さんの歌声はもちろんですが、ハモりパートもとても美しいので是非耳を傾けていただければ幸いです。

『RePlayers' Cover Songs Series』の企画を通して、ご自身にとって挑戦になったと感じることはありますか?

編曲家としてのお仕事は普段よりお請けしておりますが、完成された楽曲をリアレンジすること自体が久しぶりで懐かしくも楽しい時間でした。普段能動的に音楽を聞くタイプではないので、この3つの楽曲と深く向き合い良さを理解した上で更に『ReFlap』の世界観に合わせるという挑戦は、キャラクターソングともまた違い新鮮で今後活かせる武器と経験になりました。

ちなみに、ANCHORさんがとくに気になっているリプレイヤーは誰ですか?

どなたもとても魅力的で悩みに悩み抜いたのですが、強いて挙げさせていただくとすれば鷲埜瑞人さんです。
制作だけをして引きこもっていると作詞が出来なくなってしまった過去があり、現在もこっそりとサラリーマンとして働きながら音楽を作る生活をしているのですが、もし鷲埜さんのような素敵な先輩が居らしたら良いなと素直に思いました。絶対バーとかご一緒させてもらうんだ…絶対そうするんだ…。落ち込んでる時は「お前なら大丈夫だよ」って優しい声できっと励ましてくれるんだ…。

『RePlayers' Cover Songs Series』の今後の展開はまだ発表されていませんが、ANCHORさんが個人的に「このリプレイヤーのこういうカバー曲を作ってみたい」と思う人・曲は?

鵡川さんには明るく元気な楽曲、孔雀石さんにはお酒が進んでしまうようなハッピーな楽曲でご一緒したいです。
そして、鐘ヶ江さんと鷹宮さんのデュエットです。そうなんです。

ありがとうございました。それでは最後に、ファンに向けてメッセージをお願いします。

『ReFlap』に登場する皆さんにはそれぞれ背景があり、悩みがあり、思いがあり…。
躓いて脛に傷があっても前を向けるキャラクター達からたくさんの勇気をいただきました。
「100年アイドル」というワードだけを見ればファンタジーですが、それが現実的であるこの時代に過ごしているリアリティを是非皆さんと一緒に私も楽しみ、微力ですが一緒に盛り上げたいと思っております。
“這い上がれ もう一度羽ばたくために”
そんな彼らを一緒に応援出来れば幸せです。
引き続きよろしくお願いします。

PROFILE

ANCHOR

アニメ・声優・ゲーム・アイドル・アーティストなど幅広く楽曲提供・サウン ドプロデュースを手がけ、自身もピエール中野(凛として時雨)、 Nob(MY FIRST STORY)、滝 善充(9mm Parabellum Bullet)とともに、クリエイターユニットZiNGのメンバーとしてアーティスト活動を行う。様々なジャンル ・トレンドを取り入れた、唯一無二のミクスチャーサウンド、ストーリー性の強い歌詞、メリハリのある演出性を持つアレンジ力に高い評価が集まっている。